京成バラ園の春バラ(遅刻)レポ1
日本一(多分)の規模を持つ京成バラ園に、この春も連れて行っていただきました。いつもありがとう、Mさん!
とにかくすごい数のバラなので、何かの意図をもって編集しようとか思っていると秋バラの季節になりそうです。
なので見た順に! ただひたすらご紹介していきます!
なお、京成バラ園のバラたちはものすごくいいものを食べさせてもらっているようで、普通のバラ園で見る同品種のバラに比べるとかなり巨大になっています。その点をあらかじめご了承ください。
まずはバラ園入場前にフェンスにずらりと並ぶつるバラたちから。これ、名札撮り忘れたのですが巨大化したピエール・ドゥ・ロンサール??(↓)。大きすぎるよね??? 1985年フランス・メイアン社作出。2010年イギリス・ディクソン社作出のサイレンス・イズ・ゴールデン(↓)。「沈黙は金」ですね。つぼみは鮮やかなオレンジ色で、開花と共に山吹色になり、やがて黄色になっていくそうです。
2010年フランス・メイアン社作出のソレイユ・ロマンティカ(↓)。ころっとした花の形で、茎の棘が少なめだそうです。花びらの裏と表の色の違いがとても美しい!
2016年イギリス・ディクソン社作出のルミナス・ピラー(↓)。「光り輝く柱」の意味で、枝の先まで淡いピンク色の花をしっかりと咲かせることから名付けられたとか。
2017年ドイツ・コルデス社作出のライムライト・グランディローサ(↓)。芳香種で、ティーとミルラ香が混じったような香りです。
2010年フランス・メイアン社作出のアミ・ロマンティカ(↓)。色と言い、形と言い、まさにロマンティックなバラですね。
2008年ドイツ・コルデス社作出のソレロ(↓)。イタリア語で「太陽」の意、といろいろなところに書いてあるのですが、え、イタリア語の太陽ってソーレだよね?? 謎は深まる。
2011年ドイツ・コルデス社作出のフロレンティーナ(↓)。これもイタリア語っぽいですが、イタリア語ならフィオレンティーナになります。なので、英語? 意味は「フィレンツェの女性」かな。
2011年イギリス・ディクソン社作出のスター・チェイサー(↓)。花弁の数はそこまで多くないですが、大輪です。名前の意味は「星を追う者」。ドイツやフランスの種苗会社が外国語を使いたがるのに対して、ディクソン社はきっぱり英語ですね~。
2013年ドイツ・コルデス社作出のクリスティアーナ(↓)。ちょっとクラシックな女性の名前ですね。淡いピンク色が上品で美しかったです。
2005年ドイツ・コルデス社作出のポンポネッラ(↓)。神代植物公園でおなじみの品種なのですが、「お前、どうしたんだ?」と問いかけたくなるくらい丸々と大きく育っていました。
2010年フランス・メイアン社作出のフランボワーズ・バニーユ(↓)。フランボワーズがラズベリー、バニーユがバニラのことなので、この2色をそうやって表現しているんですね。名札の花色の説明は「桃絞り」でした。
この辺から園内に入ったのかな? 無料で見られるエリアに上記のようなバラがずらりと咲いているので、ご近所の方は楽しめますね。
2013年日本・京成バラ園芸作出のツル・ローズうらら(↓)。1995年京成バラ園芸作出のローズうららの枝変わりです。豪奢なバラ色の花。2002年フランス・メイアン社作出のルージュ・ピエール・ドゥ・ロンサール(↓)。ピエール・ドゥ・ロンサールとは異なる系統の交配で生まれたので、花の形はあまり似ていないかな?
こちらはピエール・ドゥ・ロンサールの枝変わり、2005年フランス・メイアン社作出のブラン・ピエール・ドゥ・ロンサール(↓)。さすがに花の形がまったく同じです。次の3種は名札を撮りそこねたので、名前不明です。でも、美しかった!!
2011年フランス・メイアン社作出のツル・スマイリーフェイス(↓)。レモンイエローの愛らしい花ですが、黄色系のバラがかかりがちな黒星病に強いというのが大きなセールスポイント。
ここからはロイヤルなコーナーになります。王室や皇室にちなんだバラたち。
2000年フランス・メイアン社作出のジュビレ・デュ・プリンス・ドゥ・モナコ(↓)。グレース・ケリーの夫であるモナコ大公レーニエ3世に捧げられたバラです。レーニエ公とグレース妃の長男で、現モナコ大公アルベールの妻、シャルレーヌ妃に捧げられたバラ、2011年フランス・メイアン社作出のプリンセス・シャルレーヌ・ドゥ・モナコ(左↓)。右は高円宮久子妃に捧げられたバラ、2002年日本・牧野バラ園作出のプリンセス・ヒサコ(↓)です。
秩父宮勢津子妃に捧げられたバラ、プリンセス・チチブ(↓)。1971年イギリス・ハークネス社作出です。勢津子さんは、会津藩主松平容保公の孫ですね。
三笠宮百合子妃に捧げられた、1983年日本・寺西氏作出のプリンセス・ミカサ(↓)。百合子妃は昨年11月に、101歳で亡くなられています。とても印象的な紅バラ。
こちらは神代植物公園にもあるプリンセス・ミチコ(↓)。1966年イギリス・ディクソン社作出です。イギリス人が一番好きな色合いのバラとのこと。美智子妃が皇后となった後の1992年、同じくディクソン社から捧げられたのがエンプレス・ミチコ(↓)です。
ロイヤルコーナーの最後は、敬宮愛子内親王に捧げられたプリンセス・アイコ(↓)。2002年日本・京成バラ園芸作出です。かわいらしくてはつらつとしていますね。
以上、ロイヤルなコーナーでした。
そのすぐそばには、ディズニーコーナーがありました。こちらは2003年アメリカ・ジャクソン&パーキンス社作出のディズニーランド・ローズ(↓)。ピンクとオレンジの花が一房に咲き揃うにぎやかで楽しいバラです。各国のパークに植えられているとか。こちらは2022年フランス・メイアン社作出のスマイル・ハニー・ローズ/くまのプーさん(↓)。今年から神代植物公園にもお目見えしました。しかし、やっぱりこっちの花のほうが大きい……。
京成バラ園の全景その1です(↓)。まだまだこんなものじゃないくらい広くて、奥行きがあるのです。
同園の名物コーナー、ベルサイユのばらのテラスに進みます。いつでも大人気ですが、今年は映画も公開されましたからね。こちらのバラはすべてフランス・メイアン社作出です。
2009年作出のフェルゼン伯爵(↓)。貴族らしい上品な紫色のバラです。2011年作出のアンドレ・グランディエ(↓)。オスカルに寄り添う、温かく穏やかなイメージですね。まあ、結構激情に駆られる人でもありますが…💦
2014年作出のロザリー・ラモリエール(↓)。見るたびに「私の春風」とつぶやいてしまいます。
2011年作出の王妃アントワネット(↓)。ローズピンクの艶やかで鮮やかなバラですね。王妃にふさわしい!
2004年作出のオスカル・フランソワ(↓)。白きバラ一つ、清らかに咲く。静かに白く慎ましく香り咲く……と、ヅカでは歌われていました。シンプルで形の美しいバラですね。
2012年作出のベルサイユのばら(↓)。革命で流れた血を思わせる、黒バラに近い深紅のバラです。タイトルロールにふさわしい貫禄!
あ、ついでにこちらも。
2006年フランス・メイアン社作出のプチ・トリアノン(↓)。マリー・アントワネットの愛した離宮の名前です。ベルサイユ宮殿に比べれば小規模ですが、内装はかなり豪華。主に彼女が苦手な貴族を遠ざけるために使われたようです。2003年ドイツ・タンタウ社作出のマリア・テレジア(↓)。マリー・アントワネットの母で、オーストリアの女帝だったマリア・テレジアにちなんだバラです。多忙な政務をこなしながら、男子5人、女子11人の16人の子供を産み、マリー・アントワネットは15番目の子供でした。
以上、ベルばらコーナーでした。
2006年ドイツ・タンタウ社作出のハイディ・クルム・ローズ(↓)。ドイツ出身のスーパーモデルで女優のハイディ・クルムに捧げられたバラです。ハイディ(=ハイジ)はアーデルハイトの後半部分を使った愛称なんですよね。ロッテンマイヤーさんは頑なに「アーデルハイト」と呼んでたな(笑)。フランボワーズ・バニーユより白い部分が多いエドガー・ドガ(↓)。2004年フランス・デルバール社作出で、この花色はローズ色の絞りと表現されるようです。
なんと1891年にドイツのペーター・ランベルトが作出したという歴史の長い品種、カイゼリン・アウグステ・ヴィクトリア(↓)。クリーム色がかった白バラで、形がとにかく美しい! ドイツ皇帝、ヴィルヘルム2世の皇妃に捧げられました。日本にも明治時代に渡来し、敷島(しきしま)の名で愛されたそうです。ちなみにこのランベルトさん、私の大好きなフラウ・カール・ドルシュキも作出されています。
1932年オランダ・マティアス・レーンダース氏作出のパーマネント・ウェーブ(↓)。ピンク色のデンマークのバラ、エルゼ・ポールセンの枝変わりです。エルゼ・ポールセンにはこんな個性的なウェーブはないので、本当に突然変異なんですね。
2003年アメリカ・トム・キャラス氏作出のミッドナイト・ブルー(↓)。黒バラのような青バラのような不思議な色合いは、夜空を意識したもののようです。京成バラ園の名札には2003年作出とありましたが、2004年と書かれているサイトのほうが多い?
2007年ドイツ・コルデス社作出のガーデン・オブ・ローゼズ(↓)。ドイツ人ガーデナー、グリーゼ夫人の庭に因んで名付けられとのことです。グリーゼ夫人のプロフィールは調べ損ねましたが、淡いアプリコット色が美しい!
1995年フランス・メイアン社作出のギィ・ドゥ・モーパッサン(↓)。私は『女の一生』しか読んでいませんが、作風よりもずっとかわいらしい花でよかった……。
2003年フランス・メイアン社作出のベビー・ロマンティカ(↓)。小さくてコロンとした愛らしい花です。上のほうでアミ・ロマンティカを紹介しましたが、ほかにもベル・ロマンティカ、アドーア・ロマンティカ、コケット・ロマンティカなどがあるようです。
2008年ドイツ・タンタウ社作出のエアフロイリッヒ(↓)。erfreulichはドイツ語の形容詞で、「うれしい、喜ばしい」といった意味です。
2001年ドイツ・タンタウ社作出のアストリット・グレーフィン・フォン・ハルデンベルク(↓)。アストリットはヒトラー暗殺を計画したカール・ハンス・フォン・ハルデンベルク氏の娘。城を持つ貴族でしたが、ナチスに続いて東ドイツに接収され、城が一族に戻ったのは東西ドイツ統合後の1996年でした。
1994年フランス・メイアン社作出のマジック・メイディランド(↓)。メイアン社が作出した、耐病性に優れた修景バラのシリーズ、メイディランドの一種です。修景バラは公園や道路沿いなど、景観を美しく彩る目的で植栽されるバラで、個々の美しさだけでなく、群生した際の景観全体の美しさを重視しています。バラ栽培の初心者向けだそうです。
2001年ドイツ・コルデス社作出のホーム&ガーデン(↓)。クラシックでノスタルジックな花形のフェアリーテイル・ローズ・シリーズに含まれる品種です。納得。
2000年フランス・メイアン社作出のミミ・エデン(↓)。咲き始めはこのように中心部がピンク色で、このピンク色が花全体に広がっていきます。可憐でかわいらしいのですが、栽培家のブログによると「うどん粉病への耐病性が最弱」とのこと。はかない美なんですね…。
2005年日本・京成バラ園芸作出の笑み(↓)。色合いが美しくて何度も写真撮影しては「あ、さっき撮った花だった!」と驚くくらいに印象的でした。これも日本人好みのニュアンスカラーなのかな。
1999年ドイツ・タンタウ社作出のバロック(↓)。貴婦人のドレスをバラにしたような美しい花形ですね。
以上、京成バラ園春バラレポート第一弾でした! まだ先は長いぞ!!