イタリア旅行に行ってきました(5日目前半)
トリノ2日目はホテルでの朝食から始まりました。アパートメントだと自分で買ってこなければならないですが、ホテルの朝食は、バラエティに富んでいてとても楽しいです。クロワッサン型のパンは、中にガッツリジャムが入っていて完全にスイーツでした。以後、クロワッサン型は取らないようにした辛党の私……。イタリア人の朝食は、基本的に甘いパンとカフェなので、当然といえば当然なのです。
しかし、シリアル以外は本当に野菜がなくてですね~、旅行中はとにかく野菜をとるのに苦労しました。外食の弊害だなあ。
朝食後にさっそく街へ。今日は5人全員で観光です。
駅前のツーリストインフォがちょうど開くところだったので、昨日盛大に迷ってたどりついた王宮への道を尋ねると、駅と反対側のドアを開いて手招きされ、「あれ」と指さされました。
「え、まっすぐ行けばいいの?」「そう」「バスとか地下鉄は?」「そんなのかえって遠回りになるよ」「歩ける?」「5分くらいで着く」
マジか😱、昨日はどんな間違い方したんだ?!
街の地図をもらって、まっすぐ王宮へと向かいました。
途中にこんな彫像が。トリノ市内を流れるイタリアで最も大きい川、ポー川(Il Po)を男神に(↓)
支流のドーラ・バルテア川(La Dora Baltea)を女神に(↓)例えたんですね。それぞれ男性名詞、女性名詞だから性別にも納得。
この2つの像の間を通ると、サン・カルロ広場(↓)に着きます。この地を治めたサヴォイア家は現在のフランス東部も領地としていたため、トリノの街もフランス風の作りになっています。あと、道や広場が広い!
中央にある銅像が、サヴォイア公エマヌエーレ・フィリベルト (1528-1580)(↓)。フランスに占領されていたサヴォイアを戦闘を重ねて取り返し、フランスと講和した人物なので、勇ましい騎馬姿となっています。
この像もそうなんですが、イタリアの銅像って無駄にスタイリッシュというか、フィギュアっぽいというか、やはり「より格好よく」と追及するとこういう感じになるんですね。
さらにまっすぐ進むと、王宮広場(↓)に到着!! 昨日訪れたマダーマ宮を右に見ながら、正面のパラッツォ・レアーレに入ります(この日もめちゃくちゃお天気がよかったです)。
マダーマ宮も豪華だと思ったのですが、王宮はやはりレベルとスケールが違う! エントランスホール(左)と豪華絢爛な天井(↓)。
進んでも進んでもこのレベルの部屋が続いていて、目がチカチカしてきました。
こちらは謁見の間(↓)。ここに座っていたら、どんな人でも偉そうに見えるかな。
美しい絵画が飾られた回廊(↓)。右の1枚はサヴォイア伯アメデーオ6世(1334-1383)で、十字軍にも参加した君主です。常に緑の衣装を身に着けていたため、Il Conte Verde(緑伯)と呼ばれていました!
豪奢なダイニングルーム(↓)。もともと2部屋だったものを、19世紀末に1部屋にして、天井や壁を18世紀スタイルで装飾したそうです。
室内装飾で面白かったのは、窓ガラスを覆うレース(左)や、鏡に直接描かれた花(右)で、「こんなところまで…」と感心させられました。
ボールルーム(舞踏室)(左)と窓から見た中庭(右)です。ボールルームの天井はギリシャの神々の宴を描いていますが、壁を彩るのはポンペイ発掘で見つかった踊る人々をモチーフにした絵です。イタリアらしいですね。
こちらは中国や日本の陶器を集めたお部屋(↓)。ヨーロッパの宮殿にはこういう部屋が必ずありますね。地震がない場所なんだな~というディスプレイ(イタリアはそこそこ地震国ですが)。
王宮の奥には、聖骸布を収めた礼拝堂があります。聖骸布は十字架から降ろされたイエスの身体を包んだ布とされている聖遺物ですが、公開は数年に一度で、普段はこの礼拝堂のガラスケースの中に安置されています。ぐるーっと周囲を回ってみました(↓)。小さく表示されてしまうので、右下の□マークをクリックして拡大することをお勧めします。
床には一面星の意匠がちりばめられ(左)、見上げたクーポラからは光が降り注ぐ(右)とても美しい礼拝堂は、実は一度火事で全焼し、聖骸布こそ無事だったものの、長い時間をかけて再建されたばかりだそうです。
さらに、トリノ王立図書館が所有する、鳥の飛翔に関するレオナルド・ダ・ヴィンチの手稿をフィーチャーした展示も行われていました(↓)。
昔、ANAのシンボルマークになっていたヘリコプターのスケッチは見当たりませんでしたが、有名な鏡文字を大きいサイズで見られてうれしかったです。もちろん一言もわかりませんよ!(笑)
ミラノやパリ、ロンドン、マドリッドなどにも、彼の手稿はあるそうです。
実は現在の王宮は、ローマ時代の遺跡の上に建てられています。ということで、地下にはローマ時代の遺構やそこから発見された遺物(↓)が多数あるのです。
繊細な形状のガラス器や(↓)
青銅を用いた装飾物やさまざまな細工(↓)など、当時の技術の高さが伝わってきます。
一山いくら状態の彫刻群(↓)にもびっくり。王宮内にこれだけのスペースを取って展示されています(この廊下の両側にそれぞれ展示室があります)。
こちらは古代アッシリアのレリーフ(↓)。大英博物館でも見たことがあります。
ということで、昨日に引き続き、トリノの所蔵する文化資産の豊富さに圧倒されたのでした……。見学を終えて屋外に出てみると、ローマ劇場の跡がありました(↓)。現在もイベントに使われているようです。
反対側には広い庭園(↓)があって、こちらは町の人が誰でも入れるようになっていました。愛犬を連れて散歩している人も多かったです。野生のリスが、人をまったく怖がらずに走り回っていました。
庭園の中の噴水(↓)。中央にネプチューンやオンディーヌの彫刻が置かれています。
ここまでで相当エネルギーを消費したわれわれは、王宮のそばのカフェへ(↓)。カプチーノとドルチェで休憩しました。この日くらいから、ディナーに備えて昼食は取らなくなりましたね…。
さて、恐ろしいことにこれでまだ半日分のレポです。つづきは次のポストで。も、盛沢山……💦

