春の妖精、八重桜

昭和記念公園でチューリップを堪能した後、向かったのは新宿御苑です。

前者は国営、後者は国民公園というカテゴリーだそうですね。

新宿御苑の八重桜は、夜間のライトアップの際に見に来たことはありますが、昼間に見るのは初めて!

園内に最もたくさんあった関山(かんざん)(↓)。野川沿いにも咲いている私にはおなじみの品種です。古木になるにつれ、枝がクルンと上に曲がるのが特徴。ボリューミーで、地を這うような勢いで枝を伸ばします。

八重桜……と言っておいて、いきなり一重の桜を紹介してしまいますが、駿河台匂(するがだいにおい)(↓)。大輪で、一重の中では遅咲き品種です。名前の通り、香りが強い珍しい桜。

淡紅色の花と、薄緑色の葉のコントラストが美しい一葉(いちよう)(↓)。雌しべの1本が葉化(葉のような形に変化)していることからこの名が付けられました。もう1枚(↓)。佇まいが美しくて、色が控えめなので一番好みかも……?儚げな花ですが、こんな巨木になります!!(↓)

こちらは2本の雌しべが葉化している普賢象(ふげんぞう)(↓)。葉化した花柱の先端が曲がっていて、その状態が普賢菩薩が乗っている象の鼻に似ていることから付けられた名です。ピンク色が濃くて、遠目で見るとなんとも夢々しい美しさです(↓)。オオシマザクラ系の遅咲きの品種、松月(しょうげつ)(↓)。花びらの先端の細かい切れ込みが特徴だそうです。東京府江北村(現・東京都足立区)の荒川堤で栽培されていた品種の一つ、江戸(えど)(↓)。下のほうに枝がなかったので遠目になってしまいますが、福禄寿(ふくろくじゅ)(↓)。花弁がねじれた状態に曲がるそうですが、と、遠すぎる。名前のインパクトがすごい梅護寺数珠掛桜(ばいごじじゅずかけざくら)(↓)。親鸞上人が数珠を桜の枝に掛け「我が弘むる御法にいつわりなくんば花ふさ数珠の如くにならん」と仏法を説いたところ、毎年数珠のように花がつながって咲くようになったのだとか。

第二次大戦中に、桜の品種の保護に尽力した植木業者、小清水亀之助が栽培していた増山(ますやま)(↓)。そして、私とSさんごひいきの緑色の桜、欝金(うこん)(↓)。開花後に、徐々に赤みがかってきます。さらに多様な姿を見せる緑の桜、御衣黄(ぎょいこう)(↓)。白味が強い花(↑)や、緑色が強い花(↓)そして、赤みが差した花(↓)。 遠目には一瞬、花びらが散った後に見えるので、緑の桜だと気づく人が少なかったです。私とSさんは下にシートを敷いてじっくり鑑賞させていただきました。

新宿御苑の中には、大温室や日本庭園と茶室などさまざまな建物やコーナーがあるのですが、今回初めて旧洋館御休所(きゅうようかんごきゅうしょ)(↓)に入ってみました。

明治12年に皇室の禁苑となった新宿御苑内の温室で、植物を観賞する際の休憩所として明治29年に建てられたそうです。

閣議でも開けそうな重厚なイメージの旧御食堂(↓)。お茶や食事を楽しむためのスペースで、昼餐会や晩餐会も開かれたのだとか。控えの間として使われた旧次之間(↓)。暖炉がいい味出していますね。家具も好み!当時のバスタブが残されている旧御浴室(↓)。立派だけどちょっと寒そう。廊下に設けられた張り出し窓(↓)。満開の八重桜を望むことができました。洋風の室内に籐製の家具を置いた旧御居間(↓)。花鳥風月を描いた日本画などが飾られた、和洋折衷の空間だったそうです。

以上、新宿御苑レポートでした。昭和記念公園からはしごしたので、2万歩を越える強行軍となりましたが、花の季節にはしょうがないですよね。

実は翌日にもフラワーハンティングに出かけたのですが、こちらは次のポストで!


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