「はじまりのカーテンコール ~your Note~」素晴らしかったです!(ネタバレなし)

舞台「はじまりのカーテンコール~your Note~」を見てきました。
数々の舞台で活躍している役者さん、植田圭輔くんが初めて原案と演出を務めるということで、根本正勝さんもご出演。
さて、いったいどんなものが見られるのだろうと、飛田さんの舞台を見るために通い慣れている(笑)六行会ホールに向かいました。

《STORY》
田舎に暮らす、主人公・ゆうき(演:高崎翔太)は平凡な高校生。
親友のつとむ(演:田村心)は有名大学への進学、りょう(演:安西慎太郎)は役者になる夢を持っていた。
しかし、ゆうきは特に夢もなく、卒業後は家業の酒屋を継ぐものと漠然と考えて過ごしていた。
そんなある日、りょうが東京へオーディションを受けに行くことで、3人の未来が動き出す。
別々の夢を追い、そして苦悩しながらも成長していく3人の高校生たちの等身大の姿を、植田圭輔が自身の経験も反映させながら描いていく。

こういうストーリーなので、主要人物は高校生→大学生という年代。
映像作品だったら20代後半~30代のキャストが演じるのはキツイかもしれませんが、舞台だとOKになりますね。
一番年上のはずの高崎翔太くんが一番あどけない高校生に見えました。すごい。
タイトルからわかるように、役者を目指す部分がストーリーの中心ですが、役者である植田くんの原案・演出だけに挫折する描写がすごくリアル。
そして、パンフレットの役者さんの座談会を見ると、これは「役者あるある」なのだそうで、うわあ、しんどいんだな~と思いました。
さらに言うと、私は高校・大学と舞台の演出を担当したことがあるので、「この演技をする子をどうやって指導するかな?」と真剣に考えもしました。
そのくらい、演技が下手な状態を演じるのがうまいんですよ!!
合間のほかのキャラとの会話はとても自然体で、いざ演技になると下手になるという演じ分けが素晴らしくて、感動しました。
これ以上はネタバレになるので自粛(笑)。

キャスト全員を植田くんが選んだそうですが、皆さん本当に演技のレベルが高くて、しかもその役者さんの技量を引き出す仕掛けが随所にあって、演じる側もうれしいだろうな~と思いました。
バイト先の先輩役の河原田巧也くんだけ、「あれ、ずいぶん出番が少ないな」と思ったのですが、彼は植田くん(演出に専念して、出番はなし)を補佐する演出助手を務めたそうで、ならば出番が少なめになるのは仕方ない。
私も演出を担当した時は、なるべく自分の出番を減らしました。
だって、客観的に舞台を見られる時間が少なくなっちゃいますから!
(だから個人的に、演出・主演の舞台というのはあまり賛成できません)

根本さんは、出番はそれほど多くありませんが、彼ならではのいい仕事をしていました。植ちゃん、キャスティングしてくださってありがとう!
このところ老け役だったり、髭付きだったり、根本さんの美貌をストレートに拝めていなかったので、久々に「いや~、格好いいわ~揺れるハートと再認識(笑)。

パンフの座談会で植田くんが、2.5次元に出ることが多いキャスト陣なので、そういう舞台では原作のイメージや役の設定に縛られるから、今回は余白の部分をなるべく残したかった、と言っていたのが印象に残りました。
確かに役者さんたちは、とても自由に伸び伸びと演じていたと思います。
この先も植田くんの演技は見たいけど、演出家としてもかなりの才能を持っている人ですね。
とても面白く、心に残りました。
特に演劇好きな方には刺さる内容なので、強くおススメします!!

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