イタリア旅行に行ってきました(6日目後半)

さて、「パルマと言えばこの広場」と言っても過言ではない、ドゥオーモと洗礼堂のあるドゥオーモ広場(↓)。

目にしたときの「うわあ~」という感動を共有したくて、動画を撮ってみました。

11世紀中ごろに建築が始まり、12世紀末に一応の完成を見せたロマネスク形式の大聖堂は、天に召された聖母マリア(Santa Maria Assunta)に捧げられています。

内部は動画撮影禁止なので、写真でご紹介(↓)。外部のシンプルさに比べて、内部は豪華絢爛です。聖セバスティアーノ礼拝堂にある、15世紀にベルトリーノ・デ・グロッシーが描いたフレスコ画(↓)。殉教した第20代法皇、聖ファビアーノの生涯を描いています(解説はすべて教会のHPより)。こちらは聖セバスティアーノの生涯(↓)。矢で貫かれているポーズが有名な聖人ですが、疫病から守護してくれると信じられていて、この絵はペストが流行した時期に描かれました。

中央身廊のフレスコ画連作は、16世紀ラッタンツィオ・ガンバラによるもの(↓)。アーチ形の柱の上の空間には、イエス・キリストの生涯が描かれています。左がヘロデ王による幼児虐殺、右がエルサレムの神殿でラビたちと語らう12歳のイエスですね。こちらは前回のレポでもご紹介した12世紀の彫刻家、ベネデット・アンテラーミによるキリスト磔刑図(↓)。元は教会の説教壇を飾るレリーフでした。弟子のヨハネが遺骸を支え、左の人々が悲しんでいるのと対照的に、右側ではキリストからはぎ取った衣を分け合うために、兵士たちがサイコロ賭博に興じています。金のドームにモザイクで描かれているのは、ルネサンス期に特徴的なグロテスク模様(↓)。天井のヴォールトまでしっかりと装飾されていて、空白恐怖症かい!と突っ込みたくなります。こちらは19世紀の油彩画「サウロの回心」(↓)。前回ご紹介したムリーリョの絵に登場した聖パウロが、イエス・キリストから罰せられて失明するシーンを描いています。このテーマ、結構お気に入りです。

ヴァレリ礼拝堂に描かれている(↓)聖カテリーナの生涯(右奥)と聖アンデレの生涯(左)。聖カテリーナはシエナ出身の聖女で、イタリア全体の守護聖人でもあります。十二弟子の1人、聖アンデレはX字型の十字架に架けられて殉教したのですが、真ん中の逆さ十字は聖ペテロな気も……??

反対側の壁に描かれているのは、聖クリストフォロの生涯(↓)。キリスト教に改宗したクリストフォロは、川を渡る人々を手伝いながらイエス・キリストに仕える方法を探していましたが、ある日小柄な少年が川を渡してほしいと言ってきたので、背中に背負って川を渡ります。ところが、少年がどんどんと重くなり、耐え難い重さになったため、クリストフォロが名前を尋ねると、実は彼はイエス・キリストでした。…という逸話で有名です。右下が、背負っている絵ですね。最終的に斬首されて殉教するのですが、その様子が左下に描かれています。礼拝堂の正面(↓)。珍しい六角形の形状と優美な装飾が特徴です。

以上、私の趣味でフレスコ画中心にご紹介しました。もっともっといろいろな絵画やレリーフがあるので、お訪ねの際はじっくりご覧ください。

お隣りに建つ洗礼者聖ヨハネ洗礼堂(Battistero di San Giovanni Battista)(↓)は、1196年から1216年にかけて建設されたロマネスク様式から初期ゴシック様式への移行期の建築物。ヴェローナ産のピンク色の大理石で作られた八角形の建物です。洗礼堂なので、内部には洗礼の場面が数多く描かれています(↓)。右中央は洗礼者ヨハネがイエス・キリストに洗礼を施しているところ、その下はキリスト教を公認したローマ皇帝コンスタンティヌスの洗礼風景(実際に洗礼を受けたのは晩年らしいですが)です。こちらはイエス・キリストの生誕の場面ですね(↓)。レリーフ「聖母マリアの奉献」(↓)。聖母マリアは幼いころに、両親によってエルサレムの神殿に仕えるためにささげられた…という言い伝えを描いています。聖書には書かれていないエピソードです。ぶっちゃけイタリアの教会内の宗教画は、聖書外のエピソードのほうが多いのでもっと勉強しないとなあと思います。こちらは中央がイエス・キリストの磔刑(↓)、その下が「御保護のマントのマリア」と言われる構図で、ペストが流行ったときに人々が聖母マリアの庇護を願って盛んに描かれました。こちらも洗礼者ヨハネによるイエス・キリストの洗礼を描いています(↓)。その上のレリーフはイエス・キリストと4人の福音書記家のシンボルですね。左の鷲が聖ヨハネ、その下の雄牛が聖ルカ、右上の天使が聖マタイ、獅子が聖マルコとなります。「ユダヤ人の王」の誕生を知ったヘロデ大王は、ベツレヘム周辺の2歳以下の男児を皆殺しにします。その直前に、天使から夢で警告されたヨセフは、聖母子を連れてエジプトに逃避します。その模様を描いたレリーフがこちらです(↓)。

こちらは、上段が龍を退治する聖ジョルジョ。聖ジョージという名で、イギリスの守護聖人になっていますね。下段はまたまたイエス・キリストに洗礼を施す洗礼者ヨハネ(左)と、兵士に斬首される洗礼者ヨハネ(右)です。サロメが舞の褒美として彼の首を求めたためと伝えられています。こちらは上段が聖母マリアの聖エリザベツ(洗礼者ヨハネの母)訪問かな?(↓)中段は左がピエタ、真ん中が豪華なチュニックと冠をまとい、十字架にかけられているイエス・キリスト、右がアレクサンドリアの聖カタリナ(車輪にくくりつけられて拷問されかけたため、車輪を持っています)、下段左は聖クリストフォロ、右下は聖フランチェスコと思われます。豪華な壁面だな……。こちらは竪琴を弾く王のレリーフなので、サウル王にハープを聞かせて泣かせたというダビデ王と思われます(↓)。巨人ゴリアテを倒したダビデと同一人物です。ベネデット・アンテラーミによる冬と春のレリーフ(↓)。左の冬は老人の姿で、向かって右側にある枝には葉がありませんが、左側の枝は芽吹いています。冬の間に春の準備をしている暗喩と言われています。右の春は若い女性の姿で、花の冠をかぶって、外套のリボンに手を掛けています。おそらく四季すべてをレリーフにする予定だったと思われますが、現存するのはこの2体のみです。

続いて、12カ月を表すレリーフ(↓)。こちらはちゃんと揃っています。右から3月。角笛を吹く若い青年の姿で表されています。真ん中の4月は冠をかぶって王笏を持った王の姿。左手には花を一輪持っています。5月は鎌を持って馬に乗る騎士の姿で、皇帝がこの時期に軍事作戦のため兵を招集したからだそうです。

続いて右から6月(↓)。鎌で小麦を刈り取っている男性です。真ん中の7月は馬を使って麦を踏ませている農夫。脱穀作業のようです。左の8月は若い農夫がブドウを入れる樽を作る姿です。右は9月で、農夫が桶にブドウの粒を落として、潰す準備をしています(↓)。手前にはてんびん座のシンボルが彫られています。真ん中の10月は麦の種を蒔く農夫で、上部にさそり座のシンボルが彫られています。左の11月はカブを収穫する農夫で、上部にはいて座のシンボルが。右が12月で、冬の間に薪を集める農夫(↓)。真ん中の1月は炉端で暖を取る年配の男性。左の2月は鋤で田起こしをする若い農夫です。1月は寒すぎて何もできないという意味なのかな?

洗礼堂の天井を見上げると、こんなに多くのフレスコ画が描かれています(↓)。アブラハムや洗礼者ヨハネの生涯、聖母マリアと洗礼者ヨハネを従えたキリストと、それを取り囲む預言者と王たち、使徒と福音書記家など、30年をかけて13世紀に描かれたそうです。

そして、洗礼堂ですから当然洗礼盤があります(↓)。司祭がクローバー型のスペースに入って、洗礼盤の水に浸っている信徒に洗礼を施したそうです。

こちらの洗礼堂は有料なのですが、そばにある博物館のチケットもセットになっているので見学を強くおススメします。見ごたえありありです!

博物館では、かつてドゥオーモに置かれていた、アンテラーミ派の獅子(↓)や、ベネデット・アンテラーミによるソロモン王とシバの女王の彫刻(↓)を見ることができます。今回、Wikiで調べたらこの二人の伝説についてものすごいバリエーションがあってびっくり。私はソロモン王がシバの女王にわざと辛い料理を出して…というパターンしか知りませんでした。まあ、いろんな意味でつっこみどころが多いですが……💦もう一つ、この博物館では洗礼堂の天井部分の絵画がパネルで紹介されている(↓)ので、近くでしっかり見ることができます。

こちら(↓)は上にも登場したソロモン王ですね。竪琴を弾いていたダビデ王の息子で知恵者として知られ、ソロモンの指輪を着けると動物や植物と会話できたとされています(ノーベル賞を受賞した動物行動学者ローレンツの著書の名前になっていますね)。

以上、ドゥオーモ広場のレポでした。

パルマに来たのはそもそも、こちらの名物パルミッジャーノ・レッジャーノ・チーズと生ハムを味わうためだったので、ここからが本番と言えば本番(笑)。街中でもこんな風に(↓)チーズがどっさり売られています。夕暮れのパルマの街(↓)を歩いて、予約をしているお店に向かいます。市街を流れるパルマ川はポー川の支流。今宵のディナーのお店はこのOsteria Virgilioです(↓)。くーさんと様子を見に早めに行ったら、「どうせこのテーブルは君たちのためにリザーブしているから、早めに来ても大丈夫だよ」と言われたので、残りの3人に「早めに来て~」と連絡、しばらく周りをぶらぶらして時間をつぶしました。無事合流して注文したのは、もちろん生ハムとチーズです(↓)。ほとんどのテーブルが同じものを頼んでいました。パルマの生ハムは溶けるように柔らかく、おいしいのです。やはり北部のパスタは詰め物入りのトルテリー二ですね(↓)。もうひとつ、プリモピアットのラビオリ(↓)。ここまでは順調だったのですが、来客がどんどん増えてセコンドピアットまでは長~い時間がかかりました。教訓:最初のオーダーのときにセコンドまで頼もう!やっと来たセコンドピアットその1はビーフのミートボール(↓)。シーフェンネルを使った緑色のソースがかかっています。セコンドピアットその2はナスに豆や野菜の煮込みが載った、ベジタリアン向けの一皿(↓)。

この日は、旅行開始以来続く野菜不足に相当危機感を持っていたようで、これに加えてコントルノ(付け合わせ)にサラダやイモ(↓)までオーダーしました。ワインはパルマ名物のランブルスコ。日本では甘ったるいのしか売っていませんが、辛口の発泡ワインは生ハムにもチーズにもぴったりなのです。オーナーさん自ら抜いてくれました(↓)。2023年のStorchi。もう1本もランブルスコ(↓)。Aljanoという銘柄でした。

パルマ大学に近いため、学生を中心とするにぎやかな客層がこのお店にも、近隣のお店にもあふれていて、楽しい食事となりました。

こんなにおいしい生ハムは、またしばらく口にすることはできないんだろうな~😢。

 

以上、パルマのレポでした。ここはおいしいし美しいし、ぜひ一度訪ねてみてほしい都市です!

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