聖戦士ダンバイン40周年「想い出のおしゃべりパーティー♪」に行ってきました!

なんと、今年40周年を迎える『聖戦士ダンバイン』
今月の29日から「聖戦士ダンバイン40周年展 ~出現 渋谷上空~」という展示も渋谷で行われます(チケット入手済み!)。
それに先駆けて、『ダンバイン』シーラ・ラパーナ役を演じた高橋美紀さんが、トークショーを開催してくださいました。
ゲストは主演のショウ・ザマ中原茂さんと、キャラクターデザイン・作画監督の湖川友謙さん
れ、レジェンド過ぎるでしょう!!

王子駅そばの北とぴあ15階に上がってみると、おおおお、男性がたっくさん!!
そう、高橋さんのファンの方、湖川さんのファンの方、『ダンバイン』のファンの方って男性が圧倒的に多いんですよ(そりゃそうだ)。
ネオロマに通い慣れている私は、こんなに男性が多いイベントに参加するのは初めてかも?
チケットを取ってくださったなつおさん、ご一緒してくださった友さんと一緒に、ちょっと小さくなって(笑)開場を待ちました。

イベントが始まり、まずは主催の高橋さんが登場。
とてもかわいらしくて、ふわっとしたプリント柄のドレスがお似合いの妖精みたいな方でした。
シーラ・ラパーナは研究生時代に抜擢されて演じた役で、ご自身にとってとても大切なので、40周年を記念して「中原くん」(ずっとこの呼び方をされるのがかわいかったです)、湖川さん「ナの国のオフ会」をやりたかったそうなのです。
本当にありがとうございます!!!
湖川さんの弟子? を自認されるグラフィックデザイナーのウメグラさんがアシスタントとして登場。
『ダンバイン』にも詳しくて、中学生のころに夢中になって見ていらしたそうです。

続いて登場した中原さんは、シルバーのセットアップに黒のインナー、スニーカーというお姿。
最近はシルバーは着けられないことが多いですね。
その中原さんのお衣裳を見て、めっちゃ普段着(?)で登壇された湖川さんが、「こいつ、これは衣装だって言うんだよ~」と突っ込んでいました。
いえいえ、湖川さん、これはとってもおとなしいほうです(笑)。
その湖川さんはリハーサルでは登壇時にこける予定だったそうですが、ちょっと危険だったので回避したとのこと。
最近は舞台に立ったり、朗読劇をされたり、ご自分でパフォーマンスすることに興味を持たれているそうで、高橋さんとも「共演しよう!」と盛り上がっていました。
中原さん湖川さんは、『ダンバイン』のときにはお会いになったことがなくて、その後、『宇宙の騎士 テッカマンブレード』で初めて顔を合わせたそうです。
だとすると、30年ぶりぐらいでしょうか。
今回のイベントは、時間のスケールが大きいですね(笑)。

かなり長い前振りの後、受付の際に渡されたマヌカハニー入りのジンジャーレモネードを開封して、会場の全員で40周年の乾杯をしました。
「どうしてもみんなで乾杯したくて」高橋さんがご手配くださったそうです。
素晴らしいです!
声優さんらしい、喉にもやさしいチョイスでした。

ようやく、「では、『ダンバイン』を振り返って…」高橋さんが始めたものの、自由な湖川さんのお話があちこちに広がりまくり、ウメグラさんが何とか戻そうと口を挟んでは撃退されていました(笑)。
もっとも、お話の中心は富野さんと組んだ『伝説巨神イデオン』『戦闘メカザブングル』『聖戦士ダンバイン』だったので、3作とも見ている私はお話についていけましたよ。
有名な話だそうですが、『イデオン』ハルルをえらが張った洋画の女優さん風の顔で描いたところ、富野さんからNGを食らったそうです。
それで別の顔を5パターン描いた(ご本人いわくすべてブスに描いたとのこと)ら、「最初のでいい」と言われたとか。
湖川さんのお話の中には富野さんがたくさん登場して、「ここだけの話にしておいてね!💦」高橋さんがフォローするネタも多かったですが、質疑応答の際、「これまで組んで一番よかった監督さんは?」という質問に、「富野くん」と答えていたのにちょっとジーンとしてしまいました。
「ケンカもしたけど、こちらの言うことを受け止めて、必ず返事をくれた。そういう監督はめったにいないんだよ」

ほかにも、「アメコミの影響は受けていますか?」という質問に「受けていない。手本は自然。誰かの絵を真似たらその絵になってしまうでしょう。すべては自然の中にあって、それを観察することが大切なの。日本のアニメは漫画を動かすことから始まったけど、そうじゃないものを作りたかった」と答えたり、「当時は使える色の数が90ちょっとしかなかったので、逆手に取って暖色の絵に寒色の影を付けたり、先輩からは止められたけどいろいろやれて面白かった」と、内幕を明かしてくださったり、とても興味深いお話が聞けました。
あ、「コスモはアフロ、ジロンは丸顔と特徴があるのに、ショウが普通のイケメン青年なのはなぜ?」という質問には、「顎にバッテン! あんなキャラいなかったんだよ」と答えていらっしゃいました。

高橋さんは、最初は声も出なくて、「研究生をキャスティングするほうが悪いんだ!」と責任転嫁していたけれど、シーラさま(お姫さまなので、キャストもファンも「さま」を付けるそうです)が女王として困難な状況に毅然と立ち向かっているのを見て、その生き方に教えられた、とおっしゃっていました。
それから、主役のショウマーベルとカップルだったけど、シーラのことを好きになったりしなかったのか悩んで、監督さん(富野さんではなかったとのこと)に質問したのだそうです。
回答は「自分で考えなさい」(笑)。
湖川さんにも尋ねていましたが、「絵を描いているだけだから!」と言われていました。
本当にかわいい人だな~。
今回、さまざまな段取りを忘れてウメグラさんを慌てさせ、中原さん「さすが美紀ちゃん」と感心させていましたが、かわいいのですべてOKです!

さて、中原さんは、まずはキャスティングのときのお話から。
「舞台の人や顔出しの俳優さんまで、幅広くオーディションしていることは聞いていたんですが、俺自身はオーディションを受けていなくて、突然事務所から『土曜日の5時半からのアニメの主役が決まった』と言われたんです。『この枠の意味をわかっているか?』と言われて『はい』と答えたけど、本当はよくわかっていなかったんです。アニメをあまり見てなかったので」
『アクロバンチ』の主役でデビューして、2作目でこの枠の主役ですものね~。
いまだになぜ選ばれたかは謎で、唯一の心当たりは声優さん同士の勉強会で作ったデモテープだそうです。
それを関係者の方が聞いたのかもしれませんね。

何が何だかわからないうちに大きな渦に巻き込まれた中原さんの気持ちは、突然バイストンウェルに召喚されたショウの気持ちとぴったりリンクしていたそうです。
第一話の最後の「いったい……ここはどこなんだ」は、まさに心から言った台詞だったとか。
会場から「ショウ以外にやってみたかった役は」と質問されたときも、「あまりに必死で、ショウを演じることしか頭になかったので、考えたことがない」と答えていらっしゃいました。
ちなみにあるシーンで何回やってもOKが出ず、ブースの中に入ってきた富野さん「甘えないでください」と言われたことがあったそうです。
その言葉を言われた後、頭の中で何かが変わって、次の演技が一発でOKになったのだそうで、富野マジック恐るべし。

そして、今回のイベントで一番心に残ったのは、会場からの次の質問への回答でした。
「昔はアニメで一回演じたら終わりだったものが、今はゲームなどで何回もそのキャラに出会えてうれしい」という中原さんのコメントに対して、「正直、こちらは同じ声優さんが演じるのは厳しいと感じることも多い。どう思うか」との厳しい質問。
中原さんは質問した方をまっすぐ見つめながら、誠実に答えていました。
「声というのは人間の体の中で最も老化が遅いと言われているんですが、もちろん衰えないように鍛錬する必要はあります。その努力はした上で、声を掛けていただいたらそれに応える演技をしたいと思っています。一度演じたキャラクターは自分の中でずっと生きているので、演じることはできます。ただ、自分の心は当時とは変わっているので、同じものにはならない。今の心で演じるものを受け入れていただけるかは、ファンの方や関係者の方の判断でしょう。声を掛けていただける限りは全力を尽くしますが、どう努力しても無理だと思ったら、自分からお断りすることもあると思います」
質問者の方が「いや、中原さんはそうでもないんですが」とあわてるくらいに真摯な言葉でした。
あの湖川さんまで「中原くんはうまいんだよ!」と言っていましたから(笑)。
すごくすごく中原さんらしいな、と思いました。

この質疑の前に、高橋さん中原さんシーラショウの台詞を一言ずつ演じてくださったのですが、本当に素晴らしかったです。
中原さんの言葉通り、今だからできる演技でした。

質疑応答をたくさん交えながら、登壇者とファンが一体になったイベントは、段取りは相当変わっていたらしいですが(笑)、無事に終了。
よく笑い、よく驚き、感動しました。
「45周年か50周年にまたやりましょう!」と高橋さんがおっしゃっていたので、楽しみに待ちたいと思います。
ご一緒してくださったなつおさん友さん、ありがとうございました!!

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