横浜のバラ①

市の花がバラの横浜には、バラを楽しめるスポットがたくさんあります。しかも、イングリッシュローズ(イギリスの育種家デビッド・オースチンによって開発されたモダンローズ(現代バラ)とオールドローズの長所を掛け合わせたバラの総称)が数多く植えられているので、神代ではあまり見ないバラにたくさん出合えます。

ということで、横浜のエキスパートであるくーさんのご案内で、S女史と共に横浜バラツアーを行いました。元町・中華街駅からエレベーターで上がったところで最初に出迎えてくれたのは、横浜開港150周年を記念して名付けられたバラ、はまみらい(↑)。明るいサーモンピンクのハイブリッドティー(四季咲き大輪)種です。5月25日だったので、ちょっと盛りを過ぎたバラも多かったですが、このスイートドリフト(↑)は、5月から12月まで絶え間なく咲き続ける品種だそうです。

こちらはサーモンピンクのフロリバンダ(四季咲き中輪の房咲き)種、優花(↑)。2004年京成バラ園芸作出です。

岩崎博物館(ゲーテ座記念)の壁にも見事なバラが咲いていました(↓)。そして、港の見える丘公園には、素晴らしいバラ園(↓)があります。まずは2011年ドイツ・タンタウ社作出のゲーテローズ(↓)。もちろん、文豪ゲーテに捧げられたバラです。続いて、2010年ドイツ・コルデス社作出の青バラ、ノヴァーリス(↓)。こちらはドイツ文学の最高傑作と言われる「青い花」の作者の名前です。2013年日本・コマツガーデン作出のヒーリング(↓)。芳香種で、ミルラ+ティー系の香りがします。2012年日本作出のル・シエル・ブルー(↓)。「青空」の名の通り、日本産の青バラです。2012年ドイツ・タンタウ社作出のゴスペル(↓)。芳香種で、ダマスク+フルーツ系の香りがします。1998年フランス・デルバール社作出のナエマ(↓)。ゲランの香水の名称にちなんでいますが、もともとはアラビアンナイトに出てくるお姫様の名前だとか。

2009年日本作出の真宙(まそら)(↓)。偶然ですが、高杉真宙(まひろ)さんのデビューと同じ年作出なんですね。2004年フランス・メイアン社作出のボレロ(↓)。芳香種で、ダマスク+フルーツ+ティーの香りがします。2008年フランス・デルバール社作出のラ・ローズ・ドゥ・モリナール(↓)。こちらもフルーツ+グリーン系の芳香種です。2009年フランス・メイアン社作出のベル・ロマンティカ(↓)。ちょっと菊っぽいバラですね。香りはフルーツ+ティー系。1979年日本・京成バラ園芸作出の(うたげ)(↓)。これぞバラ! という姿です。

1995年日本作出の伽羅奢(がらしゃ)(↓)。細川ガラシャに捧げられた花です。日本独自の価値観を盛り込んだ「禅ローズ」というブランドに属するそうです。ようやく登場したイングリッシュ・ローズ、セプタード・アイル(↓)。1997年イギリス・デビッド・オースチン社作出です。こちらもイングリッシュ・ローズのレッチフィールド・エンジェル(↓)。イギリスのリッチフィールド大聖堂で近年発見された、8世紀ごろ石版画に描かれた天使にちなんだ名前だそうですが、なぜかバラの名前はレッチフィールド。デビッド・オースチン社がそう命名しているので、これで正しいようです。2006年作出。2006年日本作出のティクルド・ピンク(↓)。禅ローズブランドです。名前は「くすぐったい、心地よいピンク」みたいな意味かな?1985年ドイツ・コルデス社作出のゾマーヴィント(↓)。「夏の風」という意味ですね。

このバラ園には「香りの庭」というコーナー(↓)があって、ダマスク、フルーツ、ティー、ミルラという香りごとにコーナーが区切られています。つい姿のほうに目を奪われますが、こういう工夫があると香りも楽しめますね。植物園ほどしっかり名札が付いていないので、名前が分からないバラもたくさんありました。What’s in a name? that which we call a rose, By any other name would smell as sweet.(名前が何だというの? 私たちがバラと呼ぶものは、他のどんな名前で呼んでも、同じように甘く香るわ)というジュリエットの台詞の通りですね。ちなみにバラ以外の花もいろいろと植えられていて、珍しい種類が多かったです。ポピーかな(↓)。

クレマチスもいろいろな種類が!(↓)こちら(↓)のクレマチスには、クレマチス・エルフという名札が付いていました。

 

続いて訪ねたのは「外交官の家」が建つ山手イタリア山庭園(↓)です。まずは名前の分かるバラから。エヴリン(↓)。イングリッシュ・ローズです。2018年ドイツ・コルデス社作出のフォーラン・マリア(↓)。フォーランって何? とスペルを見たら、フロイライン(英語のMiss)の英語読みでした。ここからは名前不明の美しく咲いていたバラたちをご紹介。花束のような品種(↓)。深紅のバラ(↓)。ラバグルートに似てるかな?こちらはピンクの愛らしいバラ(↓)。花の中心が柔らかいアプリコット色のバラ(↓)。庭園の奥は素晴らしいバラ園になっていて、おとぎの国にいるような光景でした(↓)。「外交官の家」と呼ばれるこの洋館(↓)は、明治政府の外交官・内田定槌氏の邸宅として、1910年にアメリカ人建築家J.M.ガーディナーの設計で建てられたそうです。噴水が涼やか!(↓) 「不思議の国のアリス」の庭園のようです。ちなみに、外交官の家がもともと建っていたのは渋谷区。内田氏のお孫さんが横浜市に寄贈し、移築されたのだそうです。この場所に建てたのは素晴らしいチョイスでしたね。バラの季節には絶対に訪れたい場所です。

さて、かなり長くなってしまったので、横浜のバラレポ①はここまでにします。②では横浜イングリッシュガーデンのバラをご紹介します! 気長にお待ちください!

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