「生誕100年 山下清展 ー百年目の大回想」見てきました

暑いですね~あせあせ(飛び散る汗)
でも、だからといって家にばかりこもっているのはもったいないので、新宿のSOMPO美術館で開催中の「生誕100年 山下清展 ー百年目の大回想」を見てきました。
私たちの世代にとっては、テレビドラマの印象が強い山下清さんですが、作品をじっくり見るのは初めてでした。代表作の1つ、「長岡の花火」がバナーになっていて(↑)、撮影可でした。
最も知られている作品群は、どれも緻密な貼絵で作られています。
そして、貼絵というのは実物を見ないとわからないことがいっぱい!
「この色紙の上に少し小さい別の色紙を貼って、縁の色を出しているのか!」等々、発見がたくさんありました。
戦時中の紙がない時代には、使用済みの切手を巧みに組み合わせて陰影や色柄を描き出していることにもびっくり。
もともと虫の絵(↓)を描くことが好きで、吃音のためいじめられていた子供時代の絵に人間はほとんど登場しません。それが、知的障害児施設八幡学園に入学してからは、さまざまな人物や学校行事が登場するようになります。
彼が放浪を始めたのは、徴兵検査逃れだったと言われていますが、ドラマと違って旅先で絵を描くことはほとんどなく、驚異的な記憶力で、帰ってきてから緻密な絵を仕上げたそうです。
長崎の「グラバー邸」(↓)。これも決して大きい絵ではないのですが、丁寧で緻密な描写に驚かされます(クリックで大きくなります)。
放浪の天才画家、山下清の名は朝日新聞の記事に取り上げられたことで一気に全国区となり、小林桂樹さん主演で映画が作られたり、全国を巡回した「山下清展」の入場者が500万人を超えたり、彼がよく口にした「兵隊の位で言うと」が流行語になったりと、時代の寵児となる一方で、自由な放浪はできなくなってしまいました。
「スイス風景」(↓)。1961年6月から約40日間かけて回ったヨーロッパの風景の1つです。
今回の展覧会では、作品の横にそれにちなんだ清さんのコメントが添えられているのですが、西洋の街並みを「ご飯をもらいに行きにくい」と評しているのに笑いました。
考えてみると、戦前・戦中の食糧事情が厳しい時代に、彼は放浪先のいろいろな家でご飯をもらって暮らしていた(住み込みで働くことも多かったようです)のですから、当時の日本の家は開放的で寛大だったんだなあと思います。
自画像(↓)。先ほどの蜂と同様に、エレベーターホールにレプリカがディスプレイされていました。眼底出血で細かい貼絵の作業ができなくなった後も、ペン画や陶器への絵付けなどで非凡な才能を発揮し続けた清さん
きれいにパースを取った作品も素晴らしいのですが、遠近感がバグった素直で率直な絵のほうにより魅力を感じました。
実物を見る機会は限られているので、9月までやっているこの展覧会をお見逃しなく!
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なお、SOMPO美術館には東郷青児さんの作品(↓)、グランマ・モーゼスの作品(↓)、そしてゴッホのひまわり(↓)もありますので、併せて楽しみましょう!(写真撮影OKなのです)新宿駅からすぐ行けるので、暑くても大丈夫。
館内かなり涼しいので、羽織るものを持って行ったほうがいいかもです。

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