2011/12/24
『裏切りは僕の名前を知っている』前楽・昼の部

キャストに『遙か』舞台版出演者が多い『裏切りは僕の名前を知っている』を、銀座博品館で見てきました。

主演の大河元気くんを舞台で見るのは初めてですが、主役に次ぐ役をアクラム役の汐崎アイルくん、三番手の役を根本くんが務め、『遙か2』頼忠さん役の石橋くんイサト役の苅羽くんも出演。
少女漫画が原作だけに美形を揃えてきたな、というキャスティングです。

以下、ネタばれありますのでご注意。
というか、プログラムの根本くんのページがすでにネタばれなんですが、いいのかな、あれ。
原作を知っている前提で作られているのかもしれませんが、知らない私が見てもそれなりに世界観はつかめました。
その意味ではうまく説明している脚本かも。

長い時間、転生を繰り返しながら繰り広げられてきた神と悪魔の戦い。
神の側で最も重要な「神の光」の力を持つ夕月と、悪魔出身でありながら彼を前世から守り続けているルカ
記憶が戻らない夕月の前に、彼を守るツヴァイルトのメンバーが次々と姿を現し、否応なく戦いの渦中に巻き込んでいく。
夕月とともに施設で育ち、兄のように接してきた奏多夕月を心配するが……。


人気のある原作であり、アニメ化作品も支持されていることをわかってなお、観劇しながら私の頭に浮かんだのは、
「なんでこれ、ヒロインじゃだめなの?」
周りの人々(女子も含む)が口々に、「お前を守る」と言うんですよ。
で、実際、夕月は武器を持たずに、逃げたり、泣いたり、祈ったり。
これは主役の人、かなり大変だと思います。
ほとんど女子と見紛うばかりに細い子ならともかく、立派な男子の体格だからなあ。

そもそも私は女子であっても、戦う覚悟がない子は苦手(舞台版の『薄桜鬼』のヒロインはかなり苦手だった)。
実戦で剣を振るわなくても、花梨ちゃんのように前向きに頑張るタイプが好きなので、イライライライラと。
少女漫画の絵柄ならそんなことないのかな?
いや、多分ダメだ。まあ、お話との相性ですね。

さて、その中で根本くんは、前述の夕月を気遣う優しい大学生のお兄ちゃん、奏多……転じて悪魔の大ボスという役どころ。
パンフの写真が大ボスのほうの扮装なんですが、すっごいきれいです!!!揺れるハート
お兄ちゃんのときはいつものあの優しい感じで、大ボスになると響きのいい声で辺りを制するのがたまらん。
実は彼は夕月を守る祇王一族の出身。
昔は現在の当主である天白と親友だったという設定です。
どうでもいいことですが、長髪の天白さんアルフィーの高見沢さんに見えたよ。←
舞台の終盤でついにその正体を現し、「これからは敵同士だ」と宣言するところで幕に。
8月に続編の上演が決まっているそうです。

なので、根本くんの本領発揮(アイルくんもかな)は続編のほうになりそうです。
惜しかったのは、夕月奏多の過去のエピソードがほとんど語られていないので、奏多の「裏切り」にどのくらい夕月が衝撃を受けたか、ちょっと伝わってこないこと。
「兄のように」と口で言うより、何か象徴的な出来事とかを語ったほうが感情移入しやすかったかな。
続編はもちろん見に行くつもりです。


さて、カーテンコール。
主役の大河くんが、「今日は奏多さんのご両親が観劇に来ているということで、奏多さんにあいさつしてもらいます」根本くんにいきなり無茶ブリしました。
でかした!
「こういうサプライズは嫌いです」と、苦笑いしながら中央に出てきた根本くん
「お父さん、お母さん、あなたの息子はこんなに立派になりました!」
と、会場を沸かせた後、
「実は僕は福島出身で、震災の後、両親に会うのは今日が初めてなんです」
と、意外な告白をしました。
そうだったのか~!
お互いきっと忙しかったんだね。
「だから今日、この後楽屋でハグしたいと思います!」
うんうん、ハグしまくってくれ。

最後は何だか温かい気持ちになって、劇場を後にしました。
今年の観劇はこれにて終了。
根本くんの舞台は、『深説・八犬伝』『プリンスセブン』『らん』『池田屋チェックイン』、『裏僕』と、合計5本見ました。
『絆』の再演は、仕事多忙のため見逃したな。
私的に一番好きだったのは、『らん』イタチ役です。
ちっともかっこよくないはずの役に、一番心をつかまれました。
来年もいい役と巡りあえますように。