2011/2/19
『深説・八犬伝』8日目夜の部

今日は、根本くんが出ている『深説・八犬伝』を見てきました。
え~と……(^^;;
残念ながら……。
劇としてはあまりいい出来じゃなかったかなあ(__;)。

一つは脚本。
八人の絆がいったいいつ深まったのかがわかりにくい上に、主要な三人、信乃、浜路、荘助の結びつきもいまひとつ伝わってこない……(身分的な上下もわかりにくい)。
あと、各場面が暗転でブツブツ切れるので、感情の流れも分断されてしまう。


もう一つは、申し訳ありませんが、主演の方の力量不足。
テレビで実績がある方で、私も好きな俳優さんなんですが、舞台的な演技ができていない。
相手役に向かって全部の感情を伝えてしまうので、声も表情も客席からはわかりにくい。
テレビでは相手に向かって演技してもカメラがアップにしてくれますが、舞台では最もいい表情は客席に向かって見せなければ意味がありません。
その辺が、できていないなあ~~と。

ということで、あああ、どこに感動すればいいんだ~?
と悩みながら最後まで行ってしまったような……。


そして最後に、アクション時代劇なのに殺陣が好みではありませんでした。
一つのシーンの中でなぜか何度も刀を鞘に収めていて、流れが悪い(追記:居合いだったそうですが、わからんかったなあ)。
あと、前を向いたまま背後の敵を刺すアクションが多すぎ。
イレギュラーな殺陣はたま~に入るからこそ目を引くわけで、あんなに多用されると「もっと普通に正面から斬りあえよ~」と思ってしまいます。

って、演出家、『戦国BASARA』の人か!!
あの武道館でのやたら長かった殺陣の恨みが……。
あのときも同じアクションの繰り返しがすごく多いと思ったんですよね~。


批判ばっかりしていてもしょうがないので、よかった点も挙げてみます。
1) アイルくんが最高!
『遙か』アクラムを演じたアイルくんが、コミカルな演技を縦横無尽に炸裂させていました。
滑舌はいいし、アクションもいいし、客席のつかみもうまい!
今回の舞台で一番いい演技をしていました。

2) 誠治郎くんのアクションが素晴らしい!
まるでフィギュアスケートを見ているが如く、軽やかに、飛ぶように舞台上を滑る、回し蹴りでくるくる回る、人が1回斬る間に3回斬る、とすごかった。
アクションにますます磨きがかかっていて感動しました。

3) 根本くん、ヤスカくん、良輔くんの演技はやっぱり安定している!
この人たちの出番はやっぱり安心して見られる。
ブチブチと分断されたシーンの中でも、ちゃんと感動を与えてくれるのでさすがだなあ~と。


出番は少ないながら、根本くんはいい仕事してました。
今日、一回刀落としてましたが(^_^;)。
まあ、誠治郎くんも超シリアスな場面で噛んでたしね!

ただ、根本くん、誠治郎くん、良輔くんはいつもやっている役柄でのキャスティングだったので、新しい発見というのはなくて残念でした。
根本くん誠治郎くんの役をやったりすると結構面白いと思うんだけどなあ。


ということで、DVDで楽しまれる人もいると思うのでストーリーは割愛しますが、脚本と演出と主演にもっと頑張ってもらいたい劇でした。
う~ん、次回作に期待!!