高幡不動尊(東京都日野市)
土方さんの菩提寺である高幡山明王院金剛寺(高幡不動尊)は、関東三不動の一つにも数えられる古刹。その起源は平安初期に遡ると言われています(もっと古いという説も)。
この境内に建てられているのが、土方歳三像(上左)と、近藤勇・土方歳三の両雄の顕彰碑「殉節両雄之碑」(上右)です。
先に建てられたのは顕彰碑のほうで、新政府の下、逆賊扱いだった二人の供養を願う親族が、さまざまな苦労を重ねた末、明治21年に建立しました。
篆額(碑文の題字)は元会津藩主、松平容保によるものだそうです。
土方歳三像はぐっと新しく、平成7年の建立。
なんでも司馬遼太郎の『燃えよ剣』ブームで、新選組の名誉回復が成った際に建立が計画されたものの、市の観光協会に「暴力団まがいの人たちの像を建てるのは、文化都市日野にふさわしくない」と拒否されたそうです。う〜む……。
高幡不動尊の外観(上)。同寺はあじさい、紅葉が美しいことでも有名で、1年を通じてかなりのにぎわいを見せています。
本尊の不動明王と二体の童子像はいずれも平安時代の作で、総重量1100キロ以上! 当時作られた仏像としては、異例の大きさだそうです。
この不動明王が安置されている奥殿は資料館となっていて、土方さんをはじめ、勝海舟、榎本武揚、徳川慶喜等の書や、新選組関連の展示物を数多く見ることができます(下左)。
上右の大日堂には、土方さん、近藤さん、沖田くん、井上源三郎さんの位牌と、新選組霊位が安置されています。
私たちが訪れたときには、土方さんの親族の方が最期の地である函館を訪れ、ゆかりの場所を回られた際の写真が展示されていました。
高幡不動尊の門前町はもともと新選組を大プッシュしていましたが、NHK大河ドラマ『新選組!』放映後はさらにヒートアップ。下のようなお店が並んでいます。
左の高幡まんじゅうさんは、土方さん関連の製品がとても充実しているので要チェックですよ。
*『BARAGA-鬼ki』ポイント
お嬢が土方さんに、「昔の話、聞かせてよ。多摩のバラガキって呼ばれてた頃の! 聞いたよ、お寺の門によじ登って通行人に卵ぶつけた話とか」と言うシーンがありますが、このお寺が高幡不動尊。よじ登っていたのが現在も残る仁王門だそうです。
お寺の資料にも、天然理心流道場時代の蛮勇に関する逸話が数多く残っている……とありましたし、本当に暴れていたんでしょうね……。さすがバラガキ。